こんにちは、院長の野田です。
クライアントさんからよくいただく質問に「出産してから×カ月以内に産後の骨盤矯正をしないと間に合わないって聞いたんですけど、本当ですか?」というのがあります。
「本当ですか?」と質問してくるくらいの方はまだ心持ち余裕があるほうで、大概は「あと少しで×カ月になっちゃうんで、すぐにでも受けたいんですけど・・・」と切羽詰まった感じで予約の電話を入れてくる方が多いです。
果たして「産後の骨盤矯正」を受けるにあたって、そのような有効期限は本当にあるのでしょうか?
有効期限は産後6ヶ月?3ヶ月?それとも1ヶ月??
そういった質問をしてくるクライアントさんに具体的な話を聞いてみると、人によって「×カ月」の数字がまちまちだったりします。
一番多いのは「産後6ヶ月」という方が多いでしょうか。
その次は「3ヶ月」とか、極端の方だと「1ヶ月以内って聞きました!」なんて人もいたりして。
そしてその情報ソースを確認してみると、大概は「いや、覚えてないんですけど、何かでそう見た気がして」といった感じです。
おそらく妊娠中に色々調べたなかで、インターネットの不確定な情報か女性誌関係の広告文章あたりで見た宣伝文句のインパクトに影響を受けてしまったのでしょうね。
リラキシンで緩んでる時が骨盤矯正のチャンス?
整体院などでもっともらしい説明としてよく聞くのが「産後×カ月はリラキシンの影響で骨盤が緩んでいるから、リラキシンの影響がなくなって再度固定する前に矯正したほうがいいです」というもの。
その「産後×カ月」というのが、そのまま「間に合わない」といった有効期限になっているのだと思います。
しかしそういった意見の先生方は、何を根拠に「リラキシンの効果は産後×カ月まで残る」と言っているのでしょうか?
確かに妊娠中にはリラキシンと呼ばれる関節の結合を緩めるためのホルモンが分泌され、その影響によって骨盤の関節が緩み、赤ちゃんが産道を通り抜けやすくなります。
しかしリラキシンが産後どれくらいの期間まで関節に影響を及ぼすのか?ということは医学的にほとんど検証されておらず、明確なデータがないというのが現状です。
よって一般的にリラキシンの影響で骨盤が緩んでいるのは産後×カ月」と言われているのは、全て医学的根拠のない憶測で言われているにすぎないということをまずは覚えておいてください。
それ以前に素朴な疑問として「産後×カ月の間はリラキシンの影響が残って骨盤が緩んでいる」のであれば、緩んだ状態の骨盤を矯正したところですぐにまた歪んでしまうわけですから、かえってその間は骨盤矯正などしても意味がないのではないか?と思うのですが、どうなんでしょうかね?(笑)
「産後×カ月以内に矯正しないと間に合わない!」と声高に訴えている先生には、何を根拠にそうおっしゃっているのか?そのあたりを詳しく聞いてみるといいかもしれません。
単に「一般的にそう言われてるから・・・」というのが理由であるならば、ご自身の大切なお身体を任せるにはちょっと心許ないのではないでしょうか。
結論:産後のボディケアに有効期限はありません
結論から言うと、当院でおこなっている産後のボディケアには「間に合う」とか「間に合わない」といった概念はないです。
それは産後すぐのママさんであろうが、産後数年経過したママさんだろうが代わりはありません。
当院では世代や育児に関わってきたバックボーンにかかわらず、骨盤軸整体によってそれぞれのQOL(生活の質) を向上させることは可能だと考えていますし、事実、産後7年経って起きた尿もれでさえも無事に改善した例もあります。
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ただ、「産後の」ボディケア、という視点で見ると「妊娠期の重心の揺り戻しによる影響で発生した身体への負担」と「産後の生活習慣の積み重ねで発生した身体への負担」では身体にかかる負担の発生機序が違ってくるため、施術のアプローチとしてはある程度の線を引くことは必要かも知れません。
産後すぐのママさんと産後数年経過したママさんでは、同じような症状であっても全く同じ施術をおこなうわけではない、というのは理解していただけると思います。
そこまで極端な比較でないとしても、例えば、
- 年齢の違い
- 初産か経産婦か
- 経膣分娩か帝王切開か
- 妊娠前にどんな身体の使い方をしてきたか(立ち仕事、デスクワーク、スポーツ経験の有無など)
- 出産後にどんな身体の使い方をしてきたか(産褥期にゆっくり身体を休めることができたか、自己流でストレッチなどやっていないか、など)
- などなど
そのようなクライアントそれぞれのバックボーンによって、同じ産後×カ月であっても身体のコンディションは変わってきます。
そしてもちろん、それぞれに見合った個別のアプローチをとることが必要ですし、そもそも治療家としてそれをどう見極めるか、というのが何より大切なことだと思います。
いずれにしても、産後何カ月であろうと間に合う、間に合わないといった概念のものではありません。
何ヶ月、何年経っているとしても、諦めてしまわずにお気軽にご相談ください。
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