こんにちは、野田です。
最近は妊婦さんの新規来院が多いです。
しかも立て続けに妊娠11週、14週、12週という、いずれもいわゆる妊娠初期の方ばかり。
そのうちの妊娠12週のクライアントさんは、片道一時間は掛かるような遠方からいらっしゃいました。
話を聞くと、近くで妊婦さんOKの整体院を見つけて連絡したのですが「安定期に入ってからじゃないと危ないから施術できません」と断られてしまったのだそうです。
安定期ってなんなのでしょう?
そして本当に、安定期に入らないと整体は施術できないのでしょうか?
そもそも安定期ってどんな時期?
一般的には妊娠14週〜16週(妊娠4〜5ヶ月の境目辺り)が安定期と呼ばれています。
しかし安定期という言葉自体は医学用語ではく「何を持って安定期と定めるのか」という明確な規定がないため、あくまでも個人の体調やコンディションによって差が出ます。
産婦人科のお医者さんの中には「妊婦の身体は常に変化してるんだから安定期なんてものはない!」と断言している先生もいらっしゃるくらいです。
安定期と言われている妊娠15週前後というのは、
- 胎盤が完成して胎児への本格的な栄養供給が開始される
- ツワリもだいたい収まり始め、食欲も回復してくる
- 基礎体温が低温期に入り、熱っぽさやだるさが無くなるため体を動かしやすくなる
といったことが妊婦さんの身体に起こる時期です。
いわば妊婦さんにとっては体を動かしやすくなる時期ではありますが、この時期から妊婦さんは大きくなる子宮を支えるため、無意識のうちに腰に重心を乗せてバランスを保つような姿勢をとりはじめます。
いわゆる反り腰ですが、そのような姿勢を取ることで腰への負担が増し、妊婦さんによくある腰痛の原因につながります。
そう考えれば安定期から整体を受け始めるというのは、ある意味理にかなっていると言えます。
しかし安定期から受けるのが理にかなっているというのと、安定期前は危ないからダメというのは全く違う話です。
安定期が危ない、と言われる真の理由
もしも周産期の女性の身体の変化についてしっかりと勉強している先生であれば「安定期以前の整体は危ないから出来ません」とは言わないはずです。
逆になぜ安定期前だと施術ができないのか?聞いてみてもいいかもしれません。
もし言葉を濁したり、「危ないから」の一点張りだとしたら、大切なお身体を任せるには少々心許ないかもしれませんね。
おそらく安定期前の施術を断わる先生の心理としては、
まだ安定期に入ってない
▼
不安定な時期
▼
なんだかよく分からないけど危ない時期
▼
整体なんてダメ!
といった考えなのだろうと思います。
しかしそれは未熟な施術者の一方的な先入観による思い込みに過ぎないということが言えます。
なぜこんなことが言えるのかというと、僕が妊婦さんに対してマタニティ整体をスタートさせた10数年前の妊婦さんへの整体に対する業界の認識がまさにこの通りだったからです。
10数年前は「妊婦さんに整体なんてとんでもない!」という時代でした
当院が妊婦さんのためにマタニティ整体をスタートさせた2004年は、明確な理由も根拠もないのに「妊婦さんに整体は危ないからダメ!」というのが当たり前の時代でした。
しかし、マタニティ整体に反対する方々に「なぜ妊婦さんへの整体が危ないのか?」という質問を投げかけても、
「だって・・・危ないに決まってるじゃないか!」
という要領を得ない返事しか返ってきません。
妊婦さんへの整体は危険に決まっているという間違った先入観があって、具体的に勉強も検証もされないまま、いつしかそれが常識として広まっていたのです。
業界としてみれば思考停止が大いなる機会損失を招いていたとも言えますし、当時の妊婦さんからしてみれば辛い時期に整体を受ける機会が奪われていたのです。
10数年経って、ようやくここまで妊婦さんへの整体が普及してきました。
しかしまだ根拠もなく「安定期前の妊婦さんに整体は危ないからダメ!」という同じ思考停止を繰り返しているのが現状であるならば、施術者の意識は10数年と同じくらいに低いままだと言わざるを得ません。
本気で産前産後の女性に対して施術をおこなっていく気持ちがあるのなら、今こそ周産期の女性の身体に関する正しい知識を学ぶ必要性があるのではないでしょうか?
妊娠初期だからこそ整体で解決しておいたほうがいい問題
例えば、先ほど登場いただいた妊娠12週の妊婦さん。
妊娠初期にありがちな「左臀部の奥の痛み」と「鼠径部の痛みと詰まった感じ」を訴えての来院でした。
妊婦さんに起こる症状といえば大きくなったお腹を支えるために起こる腰痛ばかりがイメージされやすいですが、実際には妊娠初期の方がこのようなトラブルが発生しやすいです。
特に左臀部の奥に感じる痛みは多くの妊婦さんに発生しやすく、妊娠初期の妊婦さんが当院に来院してくる一番多いきっかけだったりします。
初めての妊娠で、ただでさえも分からないことばかり。
熱っぽくて体もだるいし、ツワリもピークを迎えて気持ちも沈みがちな時期です。
そんな時に突然、お尻の奥に今まで感じたことのない痛みが現れたと想像してみてください。
クライアントさんは不安になって、藁にもすがる気持ちで「マタニティ整体可能」な整体院を訪れたはずです。
それなのに理由もなく「安定期に入ってからじゃないと危ないから施術できません」と追い返されてしまう・・・。
そんな残念な話はありませんよね。
ちなみにこの「左臀部の奥の痛み」は、安定期と呼ばれる16週以降には消失することが多いです。
だから安定期に入ってからではこの症状に対して対応することができなくなります。
安定期に入ればなくなるんだったら、別に施術しなくてもいいじゃないかって?
いいえ、この時の痛みを放置しておくことで、さらなる厄介な痛みを妊娠中期以降に発生することに繋がりかねないのです。
骨盤軸整体で妊娠初期の妊婦さんにありがちな痛みを解決していく
ちなみにこのクライアントさんですが、骨盤軸整体でいくつかの筋肉にアプローチしたところ、痛みと動きの硬さは瞬時に消失しました。
そのポイントへの施術時間は5分くらいです。
ものすごく不思議な顔をされながらも、とても感激して帰路についていただけました。
もちろん他にも気になるポイントもあったので結果的には全身を施術しましたが、しかし骨盤軸整体を用いることで、少なくとも個別の症状に対してはそれくらいのわずかな時間で対応していくことが十分可能なのです。
骨盤軸整体では従来のマタニティ整体とは違い、身体の各部位に優しく触れるだけで施術をおこなうことができます。
よってほぼ妊娠中の身体に負担をかけることがなく、妊娠初期から出産直前まで全ての時期において施術をおこなうことが可能です。
実際に当院のセミナーで骨盤軸整体を学んだ助産師さんは、分娩室で出産間際の妊婦さんにも骨盤軸整の施術をしているそうです。
まさに出産直前まで可能という言葉に偽りはありません(笑)
同業者の先生方へ。
骨盤軸整体は産前産後の女性の身体をケアするために最適化されたテクニックです。
妊娠初期の妊婦さんだって整体を受けたがっていますよ。いつまで根拠のない「安定期」で区別するつもりですか?
ぜひ当院主宰のセミナーにてしっかり体得し、一人でも多くの妊婦さんに笑顔を取り戻してあげてください。
志のある先生からの問い合わせをお待ちしています。
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