こんにちは、院長の三橋です。
「われわれ日本人の4人に1人は、何かしらの腰痛を抱えて生活している」という話もあるほど、現代人にとって腰痛はとても身近なもの。
そして、なかには著しく生活に支障をきたすほど重度の腰痛を長いあいだ抱えてしまっているケースも存在するのです。
こういった場合、いわゆるギックリ腰をやってしまってから完全に回復しきれないまま症状を引きずってしまっているケースが非常に多いものなのですが、これは医療機関で症状の原因を特定することが困難な場合があるから。
また仮に診断がついていたとしても、それによって必ずしも改善へと結びつくという話でもないのです。
だから、長期間にわたって腰痛に苦しむことになるのです。
いったい、どうしてなのでしょう?
抱えている痛みの本当の原因が別の部分にあることも
ギックリ腰から始まり、なんとか動けるようにはなったものの、慢性化してしまいどうにも改善しきらない腰痛。
重篤な場合、歩行などをはじめとする日常動作に明らかな問題を抱えてしまうことになってしまうようなケースも。
こういった場合、専門の医療機関でさまざまな精密検査を重ねることで、原因の特定を図ることになります。
しかし、たとえ抱えている腰痛の原因がMRIやCTスキャンなどで特定され診断がついたとしても、それが必ずしも抱えている痛みの原因の全てというわけではないことも実際は多いものなのです。
つまり、MRIやCTスキャンなど、画像に写っているものが必ずしも原因そのものであるとは限らないということ。
極端な話、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など明らかにMRIやCTスキャンなどで異常な所見が見つかっているにも関わらず、ほとんど自覚症状がないまま過ごせている方がいらっしゃる一方で、画像診断で異常箇所がないものの腰痛や神経痛に悩まされているような方も確かに存在するのです。
これは、場合によっては抱えている不調やトラブルの原因が「画像に写っているもの」とは別の部分にある可能性を示唆しているのであり、確定診断がついているケースであっても、少なくとも痛みの原因のすべてが「そこ」にある訳ではないことを示唆しているのです。
二次的な症状で問題を深刻化させてしまっているケースも
椎間板ヘルニアにしろ、狭窄症にしろ、いったん痛みを抱えてしまうと、人は無意識のうちに痛みから逃れるような態勢(姿勢)や身のこなしをするようになります。
腰が悪い方独特の歩き方や姿勢がまさにそれ。
知らず識らずのうちに患部をかばうような立ち方や歩き方をするようになってしまうもので、これを代償動作(代償運動)といいます。
そして、この代償動作によって当初の症状とは別の部分に新たな問題を抱えてしまうようになってしまうことがあるのです。
代償動作によって、無意識のうちにもともとの患部とは別の場所に負担を掛け続けてしまった結果、新たな別の問題が発生してしまうケースがあるのです。
いわば二次的な症状ともいうべきもので、例えば「ギックリ腰をやってしまったことで、太ももやお尻の筋肉がパンパンに張ってしまった」というようなケースがこれにあたります。
こういった場合、多くは独特の立ち方や歩き方を無意識のうちにしてしまっているもので、やがて、かばうように使ってしまっていた筋肉が、今度は破綻してしまうことがあるのです。
一般的には一度ギックリ腰をやってしまうと、破綻してしまった患部の組織を守るように患部の周囲の筋肉が硬直してしまうことで代償動作が生じ、当初の痛みとはまた違った痛みでも悩まされることになりがち。
こうして原因を特定したにもかかわらず、ズルズルと腰痛を引きずってしまうことに繋がってしまうのです。
運動療法が腰痛解消に著効を示すこともある
こういった頑固なまでに慢性化してしまった腰痛には、運動療法が著効を示すことがあります。
もちろん、ギックリ腰のような急性期の症状においても運動療法が回復を早めることがありますが、どちらのケースにせよ、運動の仕方には慎重さを必要とするべきであり、やみくもに鍛えることは避けなければならりません。
しかし、そうかと言って、ただただ安静にしているだけではなかなか回復していかないものであるのも、また腰痛のやっかいな部分であるのです。
炎症がおさまり、「痛みをちょっと我慢すれば」歩ける状態にまで回復したのであれば、いっそ運動がてら歩き始めてしまった方が往々にして回復が早まることが多いものなのです。
骨盤軸整体であれば重度で頑固な腰痛にも効果が期待できるわけ
しかし、そこは慎重さが求められるところ。
例えば良かれと思って始めた腹筋運動によって、かえって腰痛が悪化してしまったというケースが、分かりやすい事例になるかと思います。
重度に慢性化してしまったケースにおいては、いったん代償動作を解除させるといった意味で「筋肉のバランスを改善させる」ような繊細なアプローチが必要となってくる場合があるのです。
無意識のうちに使うことを「怖がってしまっている」ような筋肉や、硬直させたまま「使い方を忘れてしまっている」ような筋肉に対して、いわば再教育することが必要となってくるようなケースがこれに当てはまります。
そこで、こういった目的のもと「体幹を鍛える」といったアプローチがしばしば医療機関でも使われるようになってきているそうなのです。
ところで「体幹を鍛える」という部分については、そもそも当院の考える本質的な産後ケア、産後の骨盤矯正が「体幹バランスの改善」である以上、もちろん、こういった頑固な腰痛にも応用していくことも充分可能となります。
骨盤軸整体のもつ運動機能の向上という側面を十分応用することで、こういった画像所見でも原因が特定できないような頑固な腰痛にも効果が期待できるという訳です。
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