こんにちは、院長の三橋です。
今回は、初めての出産を終えてから2ヶ月が経過したタイミングで当院の産後のボディケアコースに新規で来院されたクライアントOさんについて振り返ります。
骨盤がグラつく感じと、産後の尿漏れに悩まれての来院となりました。
なお今回、遠方であるのにも関わらず当院を選んで頂けたのは、もともと「開いた骨盤を締める」という一般的な産後ケアにおける考え方に疑問を抱いていたからなのだそう。
聞けば、独学で筋肉についてかなりの知識をすでにお持ちだったようで、そういったことから当院の産後ケアに対する考え方に共感してくれたのだそうです。
出産後に抱えてしまった「骨盤のグラつく感じ」と尿漏れ
Oさんが産後2ヶ月というタイミングで新規来院された際に抱えてしまっていた不調が、「骨盤のグラつく感じ」と産後に生じた尿もれ。
もちろん、こういったトラブルは出産後に抱えてしまう不調としては、かなり一般的なものではあるのですが、実は初回にOさんから具体的なお話をお聞きした時点で「一発で改善できる」ケースであると確信したのです。
その理由は、おもに二つ。
まずは、ご本人が幼少の頃からクラシックバレエやダンスなど「体幹の強さ」を育む環境に置かれていたこと。特にこういったバランス感覚を必要とするような競技は、間違いなくその後の人生で肉体的アドバンテージを生み出すはずであると考えるのです。
そして、もうひとつが筋肉についての知識が豊富なだけでなく、妊娠前から体幹を鍛える習慣をお持ちだったこと。もともと筋肉や骨格などに興味があり、独学でそういったものを調べる習慣があったのだそう。
実際に過去に担当させて頂いたクライアントさんのなかで、Oさんほど体の構造や筋肉の名前について詳しい方はいらっしゃいませんでした。だから、症状の改善を目指すにあたって足りない部分を説明するのに専門用語をバンバン使えるという点で、より正確に踏み込んだ内容をアウトプットすることが可能であったのです。
それと、Oさんが自発的に取り組んでいた体幹トレーニングのおかげで産後の体を支え切るにあたっての最低限必要な筋肉量は最初から確保出来ている様子であったので、あとは持ち合わせている筋肉を「どう有機的に繋げていけるか?」という部分を突き詰めるだけで劇的に状態を改善させてあげられるはずであると確信した訳です。
初回の施術一回だけで症状はほとんど消失してしまう
やはり結果はこちらの予想通りで、初回の施術一回で「骨盤のグラつく感じ」だけでなく出産後に抱えてしまっていた尿もれについてもほとんど消失。
それもそのはず、持ち合わせている筋肉はすでに使用に耐えられる状態にあった訳で、あとは「どう使えば良いのか?」という部分だけ突き詰めれば良い状況にあった訳ですから。
さらにはOさんがマイナーな筋肉の名称にも明るい方だったことから、一般のクライアントさんでしたら「感覚的な説明」にせざるを得ないところをより正確に「理詰めで」説明できた部分も大きかったのではとも考えるのです。試行錯誤という点で、余計に遠回りをしないで済んだということです。
それでは今度は「理詰めで」、「どう使えば良いのか?」という部分について具体的に説明していきましょう。
決して鍛えて強くする必要はなく、あくまで使い方を思い出すだけ良い
産後に抱えてしまった尿もれの改善についてはもちろんのこと「骨盤のグラつく感じ」についても、現実的には骨盤底筋(こつばんていきん)、およびインナーユニットとよばれる体のもっとも奥底の中枢部分を支えるコアマッスルの機能回復がカギを握ることとなります。
ただ、この骨盤底筋という筋肉、なかなか意図して力を入れることが非常に難しい筋肉で、そもそも簡単にそれが出来たら尿もれに悩むこともないという話。
なお骨盤底筋については、一般的には妊娠中に「伸びきって弱ってしまった」ものを出産後は「引き締めて強くする」というイメージで産褥体操やケーゲル体操などに励まれることとなるのですが、実は当院ではそういった見解には立っていません。
鍛えるまでもなく、あくまで使い方を思い出してあげれば良いのです。
要は筋トレによって強化するというよりは、機能回復させてあげれば良いということ。
妊娠中に胎児の重さを支え続けた骨盤底筋は、実は「伸びきって弱ってしまった」というよりも、硬く萎縮してしまい柔軟性を失っていくなかで「使い方を忘れ」、機能低下を起こしてしまっているものと当院では考えるのです。
そこで、骨盤底筋に隣接する別の筋肉に意図的に力を込めることで、その筋肉と連動させるなかで骨盤底筋が動くよう促してみるのです。
その際には周囲の筋肉をきちんと動かすことが出来るよう、骨盤底筋に隣接する周囲の環境を整えてあげることも重要となるのですが、こちらは骨盤軸整体の得意とするところ。
これが骨盤軸整体を一回受けただけで、尿もれがピタリと止まってしまう秘訣なのです。
もし、伸びて弱ってしまった状態にある筋肉を鍛えて強化させる必要があるのであれば、たった一回の施術を受けただけで改善するはずもありません。
また、もちろんそういった周囲の筋肉を正確に知った上で、こういった機能訓練に取り組めれば、余計な遠回りをしなくても済むということも言えるでしょう。
そして、骨盤底筋にきちんと力を込められるようになればインナーユニットがようやくその機能を発揮できるように回復し、骨格を安定させられるようになることで「骨盤のグラつく感じ」も解消されてしまうこととなるのです。
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