こんにちは、院長の三橋です。
長引くコロナ禍の影響もあるのでしょうか、最近、足のトラブルに関する相談をよくお聞きします。
足裏のコリや痛みであったり、足首からの強いむくみであったり。これまであまり経験したことのないような症状で悩まれている方が増えているのです。
なんとなくリモートワークの普及による運動不足が関係していることは想像がつきそうなもの。
実は、そこには歩き方や立ち方の変化が原因として隠れている場合があり、運動不足だけでなく生活様式の変化から知らず識らずのうちに姿勢や歩き方が変わってしまっていることがあるのです。
運動不足、さらにはスリッパやサンダルを履き続けることが足裏のトラブルを誘発する!?
長引くコロナ禍にあってリモートワークの奨励だけでなく、買い物や行楽など社会活動の制限も掛かり、運動不足に陥ってしまった方が多いことかと思います。
そして運動する機会が減っただけでなく、屋内に留まる時間が極端に増えたことから、歩き方や姿勢が知らず識らずのうちに変わってしまっている方が多いようなのです。
そんなこともあって、特によくお聞きするのが足裏のトラブル。
外出する機会が減ってしまったことで、スリッパやサンダル履きで過ごすことが多くなったことが歩き方を変えてしまい、それが歩く機会の減少と相まって「足裏を支える筋力」を奪ってしまっていることが主に原因として考えられます。
スリッパやサンダル履きだと、どうしても足の指を使わない歩き方になってしまいやすく、それが「足裏を支える筋力」を低下させてしまうことで、本来は足裏にあるはずの自然なアーチが崩れてしまい、外反母趾(がいはんぼし)や足底筋膜炎など足裏のトラブルを誘発してしまうことに繋がりやすいのです。
また、座っている時間が極端に長くなってしまうことで引き起こされる姿勢の崩れが歩き方を変えてしまうなんてことも。
姿勢が崩れたことにより、上手く使えなくなってしまう筋肉が出てきてしまうのです。
徒歩や自転車、満員電車など日々の通勤も、実は運動不足解消にとても貢献してくれていたという訳です。
足裏のトラブルからの根本的改善を目指すには
それでは抱えてしまった足裏のトラブルからの根本的な問題解決を目指すにあたって、まずは何をすれば良いのでしょうか?
例えば、外反母趾でしたら先述したとおり、足裏のアーチを崩してしまった原因である「足裏を支える筋力」の回復がカギとなり、それには足の指をきちんと使った歩き方に修正する必要がでてきます。
しかし、だからと言っていきなり極端に足の指を意識した歩き方を実践してしまうと、却って別のトラブルを誘発してしまうこともあるから注意が必要。
無理に足指に力を入れて歩き続けてしまうと足指に変形をもたらし、今度は「浮き指」とよばれる症状を作ってしまうこともあるから注意が必要であるのです。
そもそも、運動不足からくる姿勢の崩れから「上手く使えなくなってしまった筋肉」が歩き方に変化をもたらしてしまっているのであれば、まずはそういった筋肉のパフォーマンスを回復させることが先決になってくるはず。
股関節のバランスが崩れ、スリッパ歩きやペタペタ歩きのままでは、いくら足の指に意識を置いた歩き方を実行しようとしたところで、足裏に負担をかけない理想的な歩き方など再現できるはずもないからです。
逆にそういった「上手く使えなくなってしまった筋肉」が機能回復すると股関節のバランスが改善され、自然と足裏に負担が掛からない歩き方に誘導されていくもので、地面を踏みしめる感覚が変わったことを実感されるはず。
その上で、歩き方に若干の修正を加えてあげれば良いという訳です。
産後女性も妊娠出産でも歩き方や姿勢が変わってしまうもの
ところで、ここで女性に限った話をさせて頂くと、妊娠出産でも姿勢や歩き方が変わってしまうことが多いもので、それが原因で足裏のトラブルはもちろんのこと、膝や腰の痛み、ひいてはボディラインの変化をも引き起こしてしまう元凶となってしまっているケースが見受けられます。
妊娠から出産までの過程で特に股関節のバランスを大きく崩してしまうケースがとても多く、もちろん出産後に自然と回復してしまうケースもあるのですが、なかには出産後何年もそれを引きずってしまっているような方もいらっしゃるのが現実であるのです。
そして、股関節のバランスが崩れてしまったままだと、女性にとって何より厄介な問題であるボディラインの崩れにも直結しかねません。
そう、いわゆる俗に言う「骨盤が開いた」状態。
逞しくなった太ももと、平たく横に拡がったお尻によってジーンズが入らなくなってしまう状態のことを指す言葉なのですが、現実的には「骨盤が開いた」かのように見えるだけで、実は股関節のバランスの問題であったのです。
当然、股関節のバランスを回復させるには妊娠から出産までの過程で身に付けてしまった姿勢や歩き方を見直す必要性が出てきます。
骨格を支えるのが筋肉である以上は、筋肉の付き方を変えなければならなく、それには筋肉の使い方、つまりは姿勢や歩き方などを含めた「身のこなし」を変える必要があるという訳です。
そこで歩き方に限って言うと、「上手く使えなくなってしまった筋肉」をきちんと使い切る、正しい歩き方を実践することがカギとなってきますが、もちろん当院ではそういった意味での「正しい歩き方」を産後のボディケアコースに通われているクライアントの皆様には指導させて頂いています。
そして、そのメソッドはもちろん産前産後ケアに直接関係のない、冒頭で述べたような足裏のトラブルを抱えている多くの方々にとっても有効な改善策となり得ることは言うまでもありません。
コメント