こんにちは、院長の三橋です。
当院の「産後のボディケアコース」は、本質的な産後ケアを追求するにあたって、産後女性の体幹バランスの回復に着目するのが大きな特徴です。
そして、「体幹」を回復させるためのアプローチ方法が骨盤軸整体ということになります。
ところで。
骨盤軸整体は、産後女性の腰痛を劇的に改善させるだけでなく、ギックリ腰の予防にもたいへん有効であると、クライアントさんの皆様には実感していただいております。
実際、「体幹」が回復すると、腰痛の改善だけでなく予防にも効果的であるのです。
それでは、なぜ産後女性の「体幹」が回復すると、こんなにも腰痛の改善と予防に繋がるのでしょう?
それには「体幹」を支えるローカル筋という存在と、それがもつ「フィードフォワード機能」について知ることが重要となってくるのです。
体幹という言葉の本来の意味と、ローカル筋とグローバル筋について
まず、フィードフォワード機能を正しく理解するには、体幹という言葉の本来の意味を理解しなければなりません。
そもそも体幹という言葉本来の意味は、身体から頭部と手足を除いた部分、つまりは胴体を指す言葉です。
しかし、「体幹が強い」、「体幹を鍛える」など普段日常で使われる“体幹”は、ちょっと意味合いが違ってきて、いわば「体幹を支える力」という意味を含みます。
ですので、当院では「体幹を支える力」といった意味で使うときは「体幹」という表記を用いることにしています。だから、胴体を表す言葉として用いるときは体幹という表記になるわけです。
つまり、体幹→胴体 、「体幹」→体幹(胴体)を支える力ということになります。
https://noda-chiro.jp/「体幹」、「コアマッスル」、「インナーマッス.html
そして本題です。
体幹、つまり胴体を支える筋肉には、比較的浅いところ走行するグローバル筋(体幹浅層筋)、それと深いところを走行するローカル筋(体幹深層筋)という2系統の筋肉に分類することが出来ます。
骨盤と肋骨とを繋ぎ、胴体部分を直接動かすことで、“大きな動き作り出すように働く”のが、グローバル筋(体幹浅層筋)。
それに対して、身体の奥深く、それこそ背骨のすぐ側を走行して、歩いたり、走ったりといったダイナミックな動きをする時に、“脊柱や骨盤を安定させるように働く”のをローカル筋(体幹深層筋)といい、脊柱安定筋群とも呼ばれます。
そして、これらローカル筋が働くことによって、身体の軸が安定し、なめらかで繊細な動きを作り出すことが可能となるのです。
https://noda-chiro.jp/体幹から読み解く骨盤軸整体と腰痛について【グ.html
ローカル筋がもつ「フィードフォワード機能」と体幹の強さについて
ここで、ローカル筋が実際にどのように働くのかを説明しましょう。
ローカル筋のもつ、もっとも特徴的な働きが“身体の動きを先取りして働く”という機能。
“ひとつ先の動きに対して、予測的に起動する”のがローカル筋(脊柱安定筋群)の最大の特性であるわけです。
たとえば、上の写真のようにアイスホッケーの選手が相手選手から激しいチャージをもらったとします。
写真で見る限りは、おそらく手元に収めていたパックを奪われてしまった状況なのでしょう。
しかし、よろめきながらも、瞬間的に相手選手の手に渡りつつあるパックを奪い返しに行っています。
実はここで、ローカル筋が大活躍しているのです。
一瞬よろめいた体勢を建て直し、ふたたびパックに向かって駆け出す「ほんの零コンマ何秒前」に、背骨のバランスを制御するローカル筋が身体が倒れないよう先回りして働いているのです。
つまり、チャージを受けても背骨があらぬ方まで曲がり過ぎないように制御できているから、転倒しないことはもちろんのこと、次の動作(駆け出すこと)へとスムーズに移行できるばかりでなく、怪我をせずに済む訳でもあるのです。
こういった役割を持つローカル筋が衰えてしまっている方は、とっさの時に背骨を制御できないために、転倒して次の動作に移れないばかりでなく、怪我を負ってしまうリスクも高まってしまうのです。
逆にローカル筋がきちんと機能している方は、不意の動作でも背骨をしっかりと安定させることが出来るばかりでなく、身体に負担を掛けるような無理な動きを極力減らすことが出来るので、怪我のリスクが大幅に減るのです。
だから、ギックリ腰のリスクも減らせるという訳。
こういった、ローカル筋の持つ先回りして動き出す機能のことを「フィードフォワード機能」といい、これこそが「体幹」の強さであるのです。
骨盤軸整体は産後女性の「体幹」を回復させるから腰痛の予防と改善にとても効果的
当院の「産後のボディケアコース」では、骨盤軸整体によって、妊娠から出産までの過程で「重心の揺り戻し」によって機能不全に陥ってしまった体幹バランスを回復させることで本質的な「産後ケア」、「産後の骨盤矯正」を目指していきます。
骨盤に起点を持つ主要な筋肉の機能を回復させることによって、脊柱安定筋群、つまりローカル筋が本来の機能を発揮できるように誘導するのです。
それは骨盤軸整体によって、”筋トレをすることなく、全身の筋力がパフォーマンスが跳ね上がる感じ”を想像して頂けたら間違いないと思います。
https://noda-chiro.jp/妊娠、出産後に感じる多くの不調の原因【重心の.html
育児というものは、抱っこや中腰など肉体的負担が常に付きまとうもの。
しかし、育児をなさっている女性であっても、「産後ケア」によってきちんと「体幹」を回復させておけば、全身の筋肉のパフォーマンスが高まることで、肉体的な負担をさほど感じにくくなるものです。
また、不意の動作でギックリ腰なんかをやってしまうリスクを軽減することにも繋がります。
「体幹」が成立していれば、ローカル筋によるフィードフォワード機能がきちんと働き、さまざまなアクティブな局面において脊柱(背骨)を物理的に守ってくれるからです。
また、実際にローカル筋を機能回復させるには、ちょっとした工夫が必要。
器具を使った大掛かりな筋トレや、息が切れるようなランニングよりも、ヨガやバランスボールのように呼吸を意識した「静的なエクササイズ」の方が効果的なのです。
そして、そういったものを短時間の施術で叶えてしまうのが骨盤軸整体です。
フィードフォワード機能がきちんと発揮できるようになれば、腰痛の改善と予防にも繋がってくるという訳なのであります。
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