こんにちは、院長の三橋です。
整体の仕事、ひいては人間の体というものは、実に複雑で奥深いものです。
そもそも人間の体の構造が複雑であることはもちろんのこと、施術アプローチ方法や医学における定説などが、まさに日進月歩であるからです。
今回は、そんな施術家の日常での考え方についてのお話。
われわれ施術家はクライアントさんが抱えてしまった不調に対して、あらゆる知識を動員して、その原因を探っていきます。
不調の原因を探るうえで様々な仮説を立て、それを施術を通して検証していくという作業を毎日繰り返している訳なのです。
つまり、組み立てたロジックが間違っていれば、当然、結果は伴わないことになります。
そして、仮説を立てて検証するという一連の作業の精度が高まれば高まるほど、施術家としてのステージが上がることを意味するのです。
しかし、時として「結果」からロジックを探っていくという、逆の手順を踏むケースもあります。
たまたま目の前に転がっていた「結果」から、偶然新しいロジックに気が付かされることがあるのです。
要は、先に「結果」からヒントをもらえてしまうケースもあるということです。
自転車に乗るようになって、みるみるうちに出産後に抱えてしまった膝の痛みと尿もれが改善していってしまったケース
以前に、出産されてから長いこと膝の痛みと尿もれに悩まされ続けていたクライアントAさんがいらっしゃいました。
なかなか施術によって、クライアントAさんの症状を完全に取りきれない現実にやきもきしていたことをよく覚えています。
そんなクライアントAさんが突如、異動による通勤先の変更で、バス通勤から長距離の自転車通勤への変更を余儀なくされたのです。
その結果、驚いたことにあれほど悩まれていた症状がどちらも綺麗に全快してしまったのです。
以前から、膝の痛みと尿もれという症状をセットで抱えてしまっているケースがとても多いということには気付いていました。
そこで自転車というヒントから、それら症状に共通する原因であるインナーマッスルの問題を改善させるにあたって、筋肉の機能回復に重点を置くことが何よりも重要であることに気付いたのです。
つまり、現在取り入れている骨盤軸整体メソッドの考え方をヒントに、「なぜ自転車で回復できたのか?」という結果から逆算して考えると、「筋肉の機能回復に重点を置くことが何よりも重要であること」というロジックに辿り着けてしまったのです。
言うならば、自転車こそが機能回復を図るうえで最強のツールであることに偶然、気付かされたということ。
考えてみたら、なかなか鍛えることが難しいインナーマッスルをこんなにも身近なツールで効率良く鍛えることが出来たんですよね。
なお、筋肉の機能回復については、骨盤軸整体のもっとも得意とするところでもあります。
本質的な産後ケアとは?これについて確信を深めることとなったケース
われわれ産前産後のケアに携わる施術家に課された、永遠の命題といっても過言ではないかと思うのがこれです。
”妊娠出産を経て、女性の身体には、いったいどんな変化が起こっているのか?
また、その変化によって、実際どのような影響を受けるものなのか?”
本質的な意味での「産後ケア」を考えるにあたって、まさに核心となる部分。
妊娠出産を経た女性の身体にとって、本当に必要なケアとはいったい何なのか?
これを当院は「重心の揺り戻し」という現象に、その答えを見出したのです。
産後女性を悩ます、さまざまな不調の原因が、「重心の揺り戻し」にこそあるのだと。
これまでの、とかく概念的になりがちだった「ただ開いた骨盤を締めるだけの骨盤矯正」から、当院は「骨盤軸整体メソッド」という、きちんとしたロジックにもとづく産後ケアメソッドを構築することに成功した訳であるのです。
そして、骨盤軸整体メソッドにおけるロジックを証明する、またとないケーススタディが下記のケースとなります。
”なぜ保育士さんは自分の子供だと腰を痛めてしまうのか?”
自身が第一子を妊娠出産するまでは、保育の現場でいくら抱っこしても無傷であったクライアントさんが、自分の子供だと腰を痛めてしまった原因についての話となります。
保育士として現場に従事していた頃の方が、優に長時間にわたって、たくさんの子供を抱っこしていたはずです。
それが、たった一人の子供(自分の子)を抱っこしただけで、何故こんなにもあっけなく腰が壊れてしまったのか?
このケースこそが産後女性にとって、真に必要な産後ケア、産後の骨盤矯正が、体幹バランスの回復であるということの証明なのであり、また、それに気付かされるきっかけとなるケーススタディとなった訳であるのです。
施術家としてクライアントさんの症状に寄り添い、考える習慣の大切さ
施術家としてのステージを高めていくにあたって、目の前の事象から仮説を立てて検証するという習慣は、とても大切なことであると考えます。
そういった意味で、当院で取り組んでいる骨盤軸整体という考え方はロジックを組み立てる上で非常に優れているメソッドであると言えるのです。
また、骨盤軸整体という考え方に出会えたことで、施術家として考える習慣がさらに磨かれたようにも思います。
ただ硬くなった筋肉を弛めるだけの繰り返しでは、とかくただの慰安となりがち。
根本的な解決を探る上で、クライアントさん一人ひとりの症状に合わせて、きちんと仮説を立て検証することが重要であることは言うまでもありません。
しかし、時として先に「結果」からヒントをもらえてしまうこともあるのが、この世界の面白いところであるのです。
そして、何よりも施術家として考える習慣がないことには、そもそも何も見えてくるはずもないことをここに付け加えておきます。
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