こんにちは、院長の三橋です。
妊娠後期にも差し掛かると、さまざまな不調やトラブルを抱えてしまうようになるもの。
だから当院の「マタニティ整体コース」を訪れる妊婦さんたちも、臨月を目前に控えた方々が非常に多い訳なのです。
そんな妊娠後期のタイミングで、とりわけ負担が増してしまうのがお尻の筋肉。
そのなかでも中臀筋(ちゅうでんきん)と呼ばれる筋肉には大きなストレスが掛かってしまうようになります。
そして、中臀筋がいよいよ壊れてしまうと、普通に歩くことすら困難になってしまうのです。
妊娠中の安定歩行のカギを握る中臀筋(ちゅうでんきん)とは
中臀筋とは股関節の安定に大きく関与していて、おもに骨盤の水平バランスに関わっている筋肉です。
実は人間が安定して二足歩行できるのも、この中臀筋のおかげ。
歩行時に片脚ずつ持ち上げるように使っても骨盤が片側に傾かないでいられるのは、中臀筋が支えてくれているから。
特に片脚立ちをすると、中臀筋がよく働きます。
逆に言うと、中臀筋が機能しない状態にあると片脚立ちが上手く出来なくなってしまうのと、歩行時に上半身が左右に大きくぶれてしまう独特に歩き方をするようになってしまいます。
また、あまりにも中臀筋が悪い状態にあると激痛を伴い、もはや歩くのも困難な状況となってしまうのです。
中臀筋とともに骨盤の水平に深く関わる腰方形筋と内転筋群
それでは、なぜ妊娠後期に入ると中臀筋に負担が掛かってしまうようになるのでしょうか?
それは大きく成長して重くなっていくお腹が姿勢バランスを崩してしまうことに原因があるのです。
妊婦さんは、お腹を前に突き出すような独特の姿勢、すなわち腰を反らせ重心を前にずらしていくこと※で姿勢のバランスをとろうとしていきます。(※この姿勢のことを特に「反り腰」といいます)
これにより股関節のアライメントが変わってしまい、結果、内ももを支える内転筋群(ないてんきんぐん)などをはじめとする股関節を支える筋肉にストレスがかかってしまい、「上手く使えない」状態に置かれてしまうのです。
安定して(骨盤を水平にして)立ったり歩いたりする上で、重要な働きを担うのが内転筋群と中臀筋であるのです。
そして、もうひとつ。
骨盤のすぐ上の部分を支える腰方形筋(ようほうけいきん)と呼ばれる筋肉も、骨盤の安定(水平)に大きく関与しています。
この3つの筋肉がそれぞれ互いに協調して働くことで骨盤の水平がうまく保たれ、「体幹」のバランスが成立するのです。
しかし、妊娠したことによって反り腰の傾向が強くなってしまうと、やがて内転筋群が機能しにくくなっていきます。※
(※妊娠後期に入った妊婦さんの独特の歩き方の原因がこれにあたります。)
すると、骨盤を安定させるにあたって、そのぶん中臀筋や腰方形筋といった他の筋肉に余計に負担が掛かるようになってしまうのです。
特に妊娠中の女性に股関節の不調や腰痛が出現しやすいのは、これによるもの。
妊娠中の女性の体幹でも直接回復させることができる骨盤軸整体だからこそ
妊娠中に中臀筋のコンディションを確保することで、歩行時における転倒のリスクを下げることが可能となります。
また、中臀筋の機能が下がってしまうと股関節まわりの不調の原因を作ってしまうきっかけにもなりかねません。
だから当然、当院の「マタニティ整体コース」においても、中臀筋は特に重要視する筋肉となります。
妊娠中に抱えてしまう歩行障害をはじめ、股関節まわりのトラブルの多くは、中臀筋の不調と大きく関係していることがとても多いのです。
それでは、もし妊娠中にそのような症状を抱えてしまったら、一生懸命に中臀筋をほぐせば大丈夫なのでしょうか?
それでも一定の効果はありますが、根本的な解決にはなかなか成り得ないはず。
きっと一時的に良くなったとしても、早いうちに症状が元に戻ってしまうことでしょう。
中臀筋をほぐしてあげることも重要なのですが、もっと大切なのは中臀筋がきちんと機能できるような状態に戻してあげること。
つまり、ふたたび内転筋群や腰方形筋といった筋肉と正しく協調して使えるように、中臀筋を「再教育」してあげることが重要なのであり、それが出来てはじめて根本的な解決に繋がるはずなのです。
また、それは言い換えると妊娠中であっても、きちんと「体幹」が使えるようにクライアントさんの筋肉の機能を改善してあげるということ。
そして、それを直接可能とする施術こそがまさに骨盤軸整体なのであります。
ちょっと、他の整体とはアプローチ方法が違う訳なのです。
コメント