こんにちは、院長の三橋です。
今回は、シンプルに正しい姿勢についてのお話。
一般に妊娠出産されると、女性の姿勢は大きく変わってしまうものです。
だから当然、当院でも「産後のボディケアコース」にいらっしゃる多くのクライアントさんたちから、姿勢についての質問はよく頂く訳なのであります。
ところで。
みなさん、子供の頃から正しい姿勢を意識するように、学校でも家庭でも注意された経験はございませんか?
しかし、いざ正しい姿勢をとろうとすると、却って肩や背中が凝ってしまうもの。
いったい、どうしてなのでしょう?
これについては本当の意味での「正しい姿勢」を十分に理解されていない方が多いからだと考えます。
「正しい姿勢」の定義とは、いったい何なのでしょう。
それは、はたして見た目に美しい姿勢であることなのでしょうか?
産後女性にとって、身体に負担を掛けないという意味での「正しい姿勢」とは
われわれ整体の世界における「正しい姿勢」とは、もちろん肩こり、腰痛といった不調の原因を作らない姿勢ということになります。
それは、ちょっと特殊な言い方をすると、物理的にもっとも負担の掛らない(筋肉を使わなくてす済む)姿勢とも言い換えることができます。
もっと具体的に言ってみると、それはボーリングの球一個分もあると云われるほど重い「頭」を極めて合理的に支えることの出来る姿勢であり、これが成立すると地球の重力にさほど抗うことなく、スマートに「頭」を支えることが出来るというわけ。
骨盤の真上に「頭」がきて、その重さを素直に背骨を通して骨盤に落とし込めれば理想的。
さらには背骨に生理的前弯、つまりS字のカーブが成立していれば言うことがありません。
要は、可能な限り筋肉を使うことなく「頭」を支えてあげられれば、余計に首肩は凝らないのです。
ですので、背中が丸まり肩よりも「頭」が前に先行すればするほど物理的に「頭」の重量を支えざるを得なくなる状況を作ってしまい、首肩の筋肉がそれこそ無理やり力ずくで支えざるを得ない状況を作ってしまうことになる訳なのです。
そして、これら条件を備えた姿勢を誰でもわかるように客観的に確認するための指標が実は存在して、これを整体、カイロプラクティックの世界では「プラムライン」と呼んでいます。
それは全身を真横から観察すると、上から耳たぶ、肩峰(肩のいちばん高い部分)、大転子(太ももの骨の付け根部分)、膝、外果(くるぶし)が一直線上に並んでいる状態を指します。
すなわち、これら条件が成立していると、骨盤の真上にきちんと「頭」があって、背骨の生理的前弯(S字のカーブ)が成立していることを意味する訳で、重い「頭」を理論上、もっとも筋肉を使わずに済む姿勢ということになるのです。
さまざまな意味での「正しい姿勢」が存在するもの
しかし、世の中にはいろいろな意味での「正しい姿勢」が存在するものです。
たとえばクラシックバレエの世界では、また違った独自の「正しい姿勢」が存在します。
それは当然、肩こり腰痛を軽減させるための「正しい姿勢」なのではなく、バレエ競技をする上でもっとも都合が良いという意味での「正しい姿勢」ということであり、それは背骨が真っすぐであることが望ましいのです。
クラシックバレエのように、クルクルと全身をコマのように回る動作をするにあたっては背骨のS字のカーブが存在すると却って物理的に不利になってしまうから。
しかし、真っすぐだと視覚的にも綺麗に見えるのですが、演じている本人の身体には大きな負担がのしかかってきます。
特に背骨のS字のカーブがないことで、着地の衝撃を上手く逃がすことが出来ないため、首や腰を痛めやすくなってしまうことに。
実際、ある程度本格的にクラシックバレエをされている方々は、見た目の姿勢とは裏腹に肩こり腰痛などさまざまな不調を抱えてしまっているケースが多いものなのです。
いっぽう高齢者における「正しい姿勢」も、また話が変わってきます。
退行変性といって、加齢とともに背骨やその周辺組織が変形を起こした結果、神経に障ってしまうようになったケースにおいては、腰はやや丸め気味にすることが最も負担の少ない姿勢となります。
やや前屈みの姿勢で手押し車を押す高齢者をご覧になったことがあるかと思います。
あの姿勢がいちばん身体に負担が掛からないし、腰も痛まないのです。
先述した「プラムライン」とはまた違った「正しい姿勢」が、退行変性をもつ高齢者には存在するということです。
いちばん身体に負担を掛けないという意味での正しい姿勢とはいったい
それでは最後にいちばん身体に負担を掛けないという意味での「正しい姿勢」について、当院の見解を述べたいと思います。
もちろんそれは、整体、カイロプラクティックの世界における「正しい姿勢」である以上、必然的にコリや痛みといった不調を極力作らない姿勢ということになります。
言い換えると、必要最小限の筋肉だけで身体を支えきることが出来る姿勢ということ。
そうなると、プラムラインを意識した姿勢が「正しい姿勢」ということになりそうです。
しかし、第三者(整体の先生)が強制的に作らせた姿勢で、果たして本当に体の力を抜くことが出来ますでしょうか?
これまで「正しい姿勢」とは、常に意識し続けなければ維持できない姿勢であったから、却って体の緊張を呼び込む結果となってしまいがちでした。
それは筋肉などの都合をいっさい無視した、先に形(骨格)ありきの考え方だったからです。
本来、体は無意識のうちに、その時々のコンディションに応じて最も負担の掛からない姿勢をとるように出来ているもの。
しかし、それは骨格を制御する筋肉が正常に機能してくれれば、すなわち「体幹」がきちんと機能してくれていればこその話。
結局は、骨格を動かし支えるのが筋肉である以上は、骨格よりも先に筋肉の機能を考えなければならないのです。
例えば、太っている方と、痩せている方とでは、たとえ同じ身長であっても「正しい姿勢」は、両者のあいだで違ってくる訳であるのです。
そういった意味では、当院の「マタニティ整体コース」では、妊婦さんにとっての「正しい姿勢」がとれるように促していきます。
すると妊娠中であっても、身体にさほど大きな負担を掛けることなく日常生活を送れるようにすることが可能になるのです。
同様に、「産後のボディケアコース」でも、産後女性のそれぞれのコンディションに沿った「正しい姿勢」を皆さん自然ととれるようになることで、コリや痛みといった不調を驚くほど軽減させていくことが出来ます。
そして、産前産後に関わらず、骨盤軸整体によって体幹バランスを回復させてあげることで、体はその時々のコンディションに応じて負担の掛からない、自然な姿勢を意識することなく常に維持できるようになるのです。
そう、あくまで無意識のなかで姿勢が成立することが重要なのです。
骨盤軸整体を受けると、自然と肩が開き背筋が伸びてしまいます。
体幹バランスが瞬時にその機能を回復したからです。
そして、まさにこれこそが本当の意味での「正しい姿勢」ということになるのです。
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