こんにちは、院長の三橋です。
ふだん当院の「産後のボディケアコース」にいらっしゃるクライアントさんたちと交わす会話は、実に多岐にわたるものです。
やはり健康に関する話題が多いのですが、なかには整体からは、およそかけ離れた内容なんてものまで…(笑)。
そんな産後ケアにいらっしゃるクライアントさんたちとの会話で、よくあがるのが「カルシウム」の効果的な摂取の仕方について。
お子さんの成長だけでなく、ご自身の「骨密度」の問題も含めて、とかく関心が高いのがカルシウムなんですね。
また、あまり知られていませんがカルシウムは、筋肉の機能とも密接に関係している存在。
このあたりを正しく理解出来ていると、効果的な摂取についても理解が深まるという話であるのです。
健康寿命を大きく左右する骨密度
「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」という言葉をご存知でしょうか?
骨密度が極端に落ちてしまい、転倒など、ちょっとしたはずみで簡単に骨折してしまう状態のことを指します。
一般に高齢期(65歳以上)を迎えると骨密度は、かなり落ちてしまうもの。
特に女性は閉経を迎えると、ホルモンバランスの変化から途端に骨密度を減らしてしまうのです。
また、高齢者が転倒によって太ももの骨を折ってしまうと、寝たきりとなり「認知症」のリスクが跳ね上がります。
いわゆる「健康寿命」を考えると、高齢期にいかに自分の両足でしっかりと歩ける状態でいられるかが重要となってくるのです。
カルシウムの吸収率を高める工夫とは
骨密度を高めるには、当然カルシウムを体内に取り込む努力が必要となってきます。
しかし、ミネラルであるカルシウムは、錠剤などで、ただ摂取するだけでは、そのほとんどが吸収されることなく体から流れ出てしまうもの。
これが鉄分やマグネシウムをはじめとするミネラル摂取の難しいところ。
要は、吸収率の高い食材から本来は摂取するべきであるのです。
もっとも吸収しやすい形で摂取したいのであるならば、野菜よりも小魚、小魚よりも牛乳から摂るべき。
また、吸収率を高めるためビタミンDの摂取を心がけることも大切となります。
日光に当たることで体内で合成も出来ますが、干し物といった食材からビタミンDそのものを摂ることも、ひとつの手でしょう。
筋肉の収縮には大量のカルシウムを消費する
ここで、いちど骨の話に戻しましょう。
そもそも、人体における骨の役割とは、いったい何なのでしょう?
一般的には、“支持、運動、防護、血球の生産、イオンの貯蔵、内分泌の制御”といった6つの役割がこれにあたります。
“支持”とは、人間の姿形(すがたかたち)を形成するということです。
そして、“イオンの貯蔵”。
この場合、「イオン」にはカルシウムが含まれます。
実は、筋肉を収縮させるには大量のカルシウムを必要とするのです。
長時間の運動などで血中のカルシウム濃度が低下してくると、骨からカルシウムが溶け出してくるのです。
つまり、骨とは予備のカルシウムの貯蔵庫としての役割もあったということ。
そもそも必要性のないものは吸収しない
では、骨密度は高ければ高いほど良いのでしょうか?
ここで問題となってくるのが、カルシウムという物質自体がとても重いこと。
体は、必要もないのに、いたずらにカルシウムを貯め込んでしまおうとはしないのです。
筋肉量に見合った、つまりは運動量に見合った骨密度を作ろうと、体は本能的に働く訳なのです。
つまり、「必要性の高くないものは吸収しない」ように人体は出来ているのです。
だって、必要以上にカルシウムを取り込んだって、体が重くて仕方がないですから。
効率良くカルシウムを摂取することで一番重要なこと
効率良くカルシウムを摂るには、「野菜より小魚、小魚より牛乳」といった食材の工夫はもちろんのこと、ビタミンDの摂取、日光に当たるといったことが重要となってきます。
そして、もっと大切なことは、運動する習慣をつくること。
そもそも、体がカルシウムを必要とする状況を作らないことには、摂り入れたところで思ったほど体は吸収してはくれないのです。
「体がカルシウムを必要とする状況」とは、筋肉量そのものです。
人間の体は、極力無駄を削ぎ落とすように出来ているもの。
やはり、体を動かす習慣というのは大事なんですね。
カルシウム摂取については、安易にサプリメントだけで解決しようとしても、あまり効果がないのです。
また、ロコモティブシンドローム対策にもなります。
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